平成18年6月定例会産業経済委員会 7月7日

◆石井修委員
農林水産省の幹部がWTO閣僚会議に行って、そろそろ日本に帰ってきているという話を聞きました。
交渉結果による本県農業に及ぼす影響があれば教えていただきたいと思います。

◎農林水産部長
WTO閣僚会議の詳しい内容は承知しておりませんけれども、お聞きするところによりますと、アメ
リカは国内保護政策が非常に手厚いということで、その削減が求められているということです。食料
輸入国は、関税の削減と貿易の障壁を低くすることが求められています。結局、閣僚会議で話は進展
しなかったというようなことを聞いております。そしていろいろな情勢を考えますと、なかなか厳し
い状況だということになっております。本県に対する影響ということですが、当面WTOの交渉が仮
に進展しないということになりますと、現在の状況が継続するということになります。それは本県を
含め日本の農業にとっては、今よりも厳しい状況にはならないということになると思います。しかし
ながら国全体から言うと、輸出サイドの方でチャンスを失うという可能性もあるということで、国全
体の貿易から言うと厳しいという認識もあるのではないかと考えております。

◆石井修委員
いろいろな各国の思惑があるわけで、日本の考えていることが世界の考え方として通るわけではあり
ません。北朝鮮がミサイル発射をしているのに、中国とロシアは制裁の国連決議をしないと言ってい
ます。日本のおいしい米と、電気炊飯器を中国で販売すれば売れるのではないかという話があります。
新潟県は農業大県ですから、北海道産などの米よりは新潟県産米の方がおいしいに決まってるので、
魚沼米を海外で販売したら最高だと思います。そういう動きはあるのですか。

◎農林水産部長
中国と日本の米の貿易でございますけれども、日本は今、ミニマム・アクセス米ということで年間70
万トン以上の米の輸入が義務づけられております。中国からもかなりの量の米を買っています。とこ
ろが逆に日本から中国に米を輸出したいというふうに思っていますけれども、中国側は検疫上の問題
で虫がいる恐れがあるということを理由にして、これを断っています。これは、おかしなことではな
いか、日本の米がそんなはずはないということで、検疫のことを精査して早く話を進めるようにと、
盛んに言われております。近年特に日本の農産物を海外に輸出しようという中川農林水産大臣の方針
により、輸出拡大に力を入れておりますが、中国に対する米の輸出というのは、大きなテーマになっ
ていて各方面でいろいろと努力をされていると伺っております。

◆石井修委員
中国はもう食料輸入国なのです。国柄が違いますから、しっかりと交渉していかなければならないの
だろう思います。西川(勉)委員から食育についての話がありましたが、食育については農林水産部
と教育委員会が相当に打ち合わせておかなければならないと思いますが、そういう話合いはされてい
るのですか。

◎食品・流通課長
教育委員会へは、特に給食に地元の野菜をたくさん使っていただきたいということで、一緒になって
取り組んでいます。学校の栄養士に対しても研修会がありますが、そこにも私どもの職員が行って、
いろいろな資料を配ったりなどしています。県庁の中でも教育庁の保健体育課と、農林水産部の食品
流通課でどのように進めていったらいいかということを常に話し合いながら、地産地消運動という中
に当然教育委員会の方も入っていただいて、一緒に進めているという状況でございます。

◆石井修委員
学校給食だけでなく、県立病院の病院食もあります。地産地消ばかり言って閉鎖的にならない方がい
いといった意見もあります。門戸を開けておかないと、今度自分の品物を売りに行って向こうから拒
まれたらどうにもならなくなるのではないかということです。しかしながら、やはり地元の安全な農
産物を子供たち、あるいは病人のかたがたに提供して地産地消に力を入れていかなければならないと
思いますが、いかがですか。

◎食品・流通課長
県立病院は15病院あるわけですが、委員がおっしゃられたような同じ観点から、県立の病院ですので
県産農産物を使っていただきたいという申入れをしております。米については、県産米が使われてい
るという状況になってきております。

◆石井修委員
この11月に県立新発田病院が移転、新築して開院します。朝昼晩と入院患者が食事をしますし、医師
や看護婦を加えると恐らく1日2,000食近い食事があそこで提供されるのです。そういうことからす
ると決して少ない量ではないと思いますので、是非農林水産部と病院局、あるいは農林水産部と教育
委員会で連携をして、安心して食べられる地域の食材を病院や学校のかたがたに提供できるように取
り組んでいただきたいと思います。佐渡の海産物などについては特に言えますが、流通機構の障害が
あります。せっかく地元で取れた産物も例えば100円のものが、どこかの卸市場を介して300円になっ
たりして県内に戻ってくるようなことがあります。いいものを安く提供することは大事なことです。
これは農林水産部の担当ではないにしても、産業労働観光部と連携をしながら流通の流れというもの
を見なければなりません。漁業問題ですと、佐渡の漁港では東京の市場へ向かう運送車の通る時間帯
に魚を出荷するという方式らしのです。輸送コストを下げるためなのでしょうけれど、漁港ごとに時
間を決めて海産物を積んで東京の市場に運んで、そしてまた東京から新潟の市場に順番に降ろしてい
くのだそうです。伝票だけ通っているのか、物が実際に動いているのかよく分かりませんが、わざわ
ざ無駄なことをしないで流通というものをもう少し改善できないのでしょうか。産業労働観光部に言
うと、それは商行為だからそれは仕方がないらしいのですが、いい物を安く提供するという立場から
すると無駄なのです。県内で取引をやっていればいいわけですから。そういう業界の仕組みがあるわ
けですが、そういうところにもう少し行政が目を向けるというか、対応してはどうかという気がしま
す。生産者側の立場を考える農林水産部として、どのようにお考えになっておられますか。

◎農林水産部長
農林水産部は生産者だけではなくて、やはり消費者の立場にも立ってやらなければいけないと思って
おります。消費者の立場からすると、複雑な流通をたどることによって価格が高くなる。生産者の立
場からしますと、最終価格に比べて生産者の手取り収入が少ないという問題があるのではないかと思
っております。WTO交渉の話もありましたけれど、今後国際的にも競争が厳しくなってくるという
状況を考えますと、日本の農産物コストを全体的に2割くらい削減していかなければならないという
ことを最近強く言われております。その中でも、流通というというところは非常に大きいと思ってお
ります。特に日本の流通は卸という機能が非常に発達をしているということで、それはそれでいいと
ころもあるのですけれども、やはりコストがかかる体質になっていると。そして野菜がたしか5段階。
魚はもう一段階あって6段階というふうに、非常に段階数が多いところが問題であると言われており
ます。そのような問題について、我々は直接介入できないところですけれども、生産者としては、や
はり消費者と近くなるということが一番いいのではないかと思っております。最近非常に力を入れて
おりますのが、直売所でございます。これは生産者から直に消費者に届くということでありまして生
産者にしても消費者の顔が見える、要望が直接聞けるという利点もあります。また、収入もそれだけ
増えるという利点もございます。消費者からしても生産者の顔が見えて安心なものを安く買えるとい
うような利点もあります。そういうことから最近非常に伸びています。そうした仕組みも利用しなが
ら、更に流通コストが削減されて、消費者及び生産者双方に利益が出るようなことを今後も検討して
いきたいと思っております。

◆石井修委員
私の地元では、農村の集落において道路のわきに小屋を建てて、その集落で取れた野菜などを直売し
ていますが、これが売れるのだそうです。これは流通機構を壊していることになってるのです。それ
をまねしてほかでも数箇所で直売所を始めましたら、みんな売れているとのことです。流通業界の人
たちにとっては大変脅威なのだろうと思いますが、生産者と消費者が直接取引をしていることから人
気があって、うまくいっている事例があるとまねして始めるようです。このように流通機構も変わる
可能性がありますので、よくよく農林水産部で検討していただきたいと思います。以前朱鷺メッセで
スローフード・スローライフ展がありましたが、農林水産部もかかわっていたのですか。

◎食品・流通課長
スローフード・スローライフ展は、新潟万代島総合企画株式会社のイベントです。

◆石井修委員
その際、発酵学の権威である小泉武夫教授が来られましたが、私は県内に発酵菌研究所を作って生鮮
食品や魚介類などへの応用研究をしてはどうかと思います。発酵菌によってはふぐの肝が食べられる
ようになるわけですし、付加価値を高める意味においても農業大県である本県にとって、必要不可欠
なものだろうと考えていますので、是非取り組んでいただきたい。先日、私の地元で知人が雑草取り
をしていました。車を止めて何をしているのかと聞きましたら、直播(ちょくは)栽培で米を作るテ
ストをしているのだそうです。芽が出てきたので、雑草との区分けをしているとのことですが、田植
え機で植えた方が楽ではないですかと言いましたら、もう一回雑草を取れば後は農薬をまけばそれで
済むみたいな話でした。どちらが合理的でうまくいくのかと聞きましたら、直播栽培に決まっている
と本人は言ってました。直播栽培について私は分からないのですけれども、どんな状況にあるのです
か。

◎農産園芸課長
本年度の直播栽培の面積につきましては約960ヘクタールでございます。なお昨年度は、1,050ヘクタ
ールでございました。コストの比較でございますけれども、直播栽培の場合には育苗しませんので10
アール当たりの労働時間は2.6時間減りますし、それから実際にコストの部分につきましては、約7
パーセント減るということが言えるようでございます。

◆石井修委員
まだ試験段階のようですが、栽培方法はどのようなものなのですか。

◎農産園芸課長
直播栽培の決め手というのは、一つは出芽苗立で種を何粒まいて幾つ芽が出るかということです。そ
れからきちっと栽培するための除草剤の対応が二つ目です。三つ目は倒伏の防止です。この三つがう
まくできて、直播栽培は成功すると思います。普通の稲に比べて出穂が遅れるわけですから、毎年度
高温登熟化する中で出穂期を遅らせるということは、それだけ高品質米の生産に結びついて、よりお
いしい米ができます。農地面積が1ヘクタールしかないような農家の皆さんには余りメリットはない
と思いますが、大規模農家の場合には、農機や農業施設を長期間稼動しないといけないので、作期を
分散する意味でもこの手法は多く取り入れられております。

◆石井修委員
では今農林水産省が進めている大規模営農に適している栽培方法なのですか。

◎農産園芸課長
大規模農家の育成の中で、コスト低減の手法には様々なものがございまして直播栽培もその一つです。
農業施設の共同利用だとかいろいろありますけれども、コスト低減の一つの手法ということで、品質
向上の観点からもこの栽培方法を一生懸命支援してるところでございます。

◆石井修委員
魚沼米はそんなにたくさん収穫できるわけではないのでしょう。だから価値があるし、おいしいので
しょう。山形県産のさくらんぼは一粒500円で販売されているものがありますが、一度食べたことがあ
ります。価格の差はかなりあるけれども、うまさの差はどれほどかということは、個人の好みだから
何とも言えません。うまいことはうまいけれど価格も大変に高いのです。それに比べて米はそんなに
価格差はありません。新発田市史によると、さくらんぼはドイツから新発田市に最初に入ってきたと
のことです。米沢街道を通って、山形県で盛んになったのだと思います。もう一度、日本の発祥地で
ある新発田市で、もう少し盛んになるように努力しなければいけないと個人的には思っています。産
地の皆さんとも話をしました。以前は雨が降るとみんなひび割れて売り物になりませんでしたが、隣
の聖籠町の農家でビニールを掛けたので、新発田市の農家もビニールをかぶせるなど非常に意欲をも
ってやっておられます。高価なブランド農産物について、農林水産部としてもう少し多品種にわたっ
て努力していこうという姿勢はあると思いますが、何か成果の出ているような事例はあるのですか。

◎農林水産部長
農産物のブランド化の課題としては、全国的な知名度が足りないというところだろうと思っております。
その中で、いちごの越後姫を例に話をさせていただきたいと思いますが、これは県内では名前が知られ
ていますし、品質もいいということで、高く売られています。ところが供給が少ないために、首都圏や
県外の大市場に打って出る所はなかったのです。しかしだんだん産地も広がってまいりまして出荷が増
えてきたので、これから県外に売って出ようかという意欲のある農協も出てまいりました。そこで先般
その農協が東京へ売り込みに行きましたところ、一粒500円とはいきませんけれども一粒100円の高級な
いちごとして出荷されました。専門家に言わせると、量が取れないのならそれなりの売り方があるのだ
ということでございますので、そのようなチャレンジをしている農協もあるということを御紹介させて
いただきました。

◆石井修委員
夏に向けてこれから暑くなると、枝豆と生ビールがおいしいです。これを3年も続けていると痛風にな
るそうです。京都の豆は有名ですが、食べてみたら黒埼茶豆の方がおいしいのです。黒埼茶豆は抜群に
おいしいけれど、全国的な知名度はどうですか。

◎技監(農林水産部)
黒埼茶豆につきましては、品種も地元で守っておられまして、量的に十分でない部分もありますが、お
いしいということで高い評価を得ております。ここのところ様々な所から直接それを供給してほしいと
いうことでアプローチがされております。あっちからもこっちからも欲しいという状況で急にここ一、
二年でかなり注目を集めて評価されてきております。

◆石井修委員
ブランド農産物というのは、品をよくして売らないといけません。京都産のまつたけなどは、いかにも
高貴な感じがします。そういう部分で新潟県はまだ不十分だと思います。農産物なら新潟県なんだとい
うイメージで品よく売ることによって付加価値がまた上がると思いますので、その辺の知恵を、黒埼茶
豆やいちごの越後姫などのブランド化について、農林水産部全体として知恵を働かせてもらいたいと思
います。100円のものが200円になって、200円のものが300円になるという、いい方向にいくと思うので
心してやっていだだきたいと思います。

○委員長 以上で、付託議案等に対する質疑は終了いたしました。