平成16年12月定例会産業経済委員会 12月10日


◆石井修委員
このたびの地震でいろいろ皆さんともお話をしましたし、国の方にも何度となく、1回、2回ではありま
せんけれども、それ相応の任にあるかたがた、あるいはそのかたがたを動かしてくれる国会議員に何度も
面接をし陳情してきました。一番気になるのは、まず、激甚災害に対処するための特別な財政援助等に関
する法律(激甚法)は適用されるけれども特別立法を何とかお願いしたいというのが焦点だと思うのです。
特別立法というのは何ぞやということになると、この地震のために特別な措置をお願いしたいということ
です。
 今の説明を聞いていると、これは通常時の貸付制度プラス利子補給という話であります。それをよくよ
く考えてみると、もともとぎりぎりです、中小零細企業は、これはすべての面にわたってです。例えば商
店でもそうですし、観光業者もそうですが、毎年の会社の経理状況を見て限度ぎりぎりに、ほとんど余裕
なくみんな運営をやっているのです。そこにどかんと地震が来たと。その分借金がプラスアルファになる
わけでありまして、経営的にはマイナス経営になるわけです。ですからゼロからの出発ではなくて、この
自然災害によってマイナスからの出発を強いられるわけです。
 ですが、そのマイナスから出発を強いられる場合に、その営業のキャパシティーが、いわゆる範囲が広
がったとか利用客が広がったというのであれば、例えば借金をしても返せる見込みが立って、それならば
安い金利なので10年計画、あるいは15年計画で借りていこうと。皆川委員の話からいけば、融資期間を20
年くらいにしてくれないかという話が出てくるのは、なぜ長期間にしてくれと言うかというと、それがめ
どなのです。
 ですから、ただ単純に今まで営業をやっていて、お金も多少銀行に預けてあるけれども借金もあると、
そこに自然災害が来て、今まで自分たちの頭に描いていた経営以外の災難が来ているということになると、
その部分は今までは経営上欠落している部分、全くなかった部分なのです。そのなかった部分をどう補う
か。今自分たちが仕事をやっていて、大体年間これくらいの売上は平均的にあると、それをベースに商売
をやってきているものが、全く別にコストのかかる部分が災害によって生み出されたと。その増えたコス
トをどう埋め合わせしていくかというと、めどが立たない。
 テレビでは余り詳しいことは言ってくれませんでしたけれども、山古志村の何千頭も牛を飼っていた方
が、あれは無料で牛を搬出したわけではないのです、個人でヘリコプターをチャーターして牛を搬出した
と聞いています。なぜ、そういう採算の合わないことをやったのかというと、これは唯物論ではないので
す。金の貸し借りとか頭で計算できるとか、見て分かる話ではないのです。牛の命を助けてやると、それ
だけなのです。もう牛の価値はないと、実際に運び出した牛は1か月くらいエサを食べていないから売り
物にならないそうです。もう1か月飼育をし直して肉を付けてからでないと売り物にならない。しかし、
生きている牛を何とか救ってやろうということで、救った牛の代金がヘリコプター代になったと。したが
って、あの方はその商売をやめられて、同業者の話ですと、柏崎市の業者にお任せをして、自分の息子が
柏崎市に就職しているものだから、畜産家をやめてその息子とこれから一緒に住んでいくという話を聞き
ました。
 正に今どんなに小さい商店でも、あの周辺で営業なさっている方は破産して商売をやめようか、あるい
は稼げないけれども長期にわたって何とかプラスアルファの夢を抱きながら営業をやって生き残っていこ
うかと、この選択しかないのです。毎年税務署に行って税金を払うか払わないかというくらいの仕事をし
ていながらこういう震災なわけですから、そんなに甘く考えられる状態では、どんな営業をやっている方
も甘く考えられる状態にはないということなのです。私はここに委員の皆さんがいろいろ話をする原点が
あると思うのです。
 私どもが東京都へ行っていろいろな国会議員にお願いをしてきますが、個人に対する自立支援なのか、
地域に対する、いわゆるコミュニティーの再生支援なのか、はっきり言えとこう言われました。しかし、
私どもが考えつく、あるいは行政の皆さんの国に対する要望を見ていても、そこの焦点がはっきりしてこ
ない。例えば都会のように人がいて、小さいエリアでも努力をすれば自分の店に来ていただける可能性の
ある地域とは違うわけです。山古志村といっても 2,200名しかいない。そこで幾らものすごい営業力を発
揮して売ったところで限度というものがあるわけです。そういうものを一つ一つ、頭で理解しなくても、
それを自分で今までやってきた中で皮膚感覚で考えてみると、もう商売はできないと。昨日もまたテレビ
に出ていましたけれども、ニシキゴイなどは種ゴイが生きていたから何とかできるという人と、種ゴイが
いなくなったら生きるすべがないのだという、この極端な差なのです。ここを政治と行政が、今被災され
た県民のためにどう考えてあげられるかが、焦点だと私は思います。
 だから単純な制度融資ではないのだと。私は、ある意味においては個人のためにお金を貸してあげると
か何とかではなくて、この農村に住んでいる、集落に住んでいる皆さんの命がかかっているという見方を
した方がいいのではないかと思います。したがって、一つの商店であれ一つの事業所であれ、それがある
からこそ、その村が成り立っているのだと。したがって、個人のためにはできないけれども、地域に対す
る再生支援という形の中で一企業なり一商店なりを救ってあげられる、その村、あるいは町内が存立して
いくという発想を出していかないといけない。
 いろいろな制度がありますけれども、激甚法は単年度に限られる。私どもが今、知事を筆頭にして特別
立法をお願いしたいと言っているのは、多年度にわたってこの自然災害が影響して大変なことになってい
るのだから、多年度にわたってこの影響に対応する特別立法をお願いしたいと言っているわけです。ここ
が、この間8日に来られた村田防災担当大臣と私どもの考え方が少し違うところなのだろうなと思います。
普通の震災、災害と中山間地域の災害、この差というところまでは分かったのです。そこから先どう違う
のだと、私も国に行っていろいろな国会議員と話をしましたけれども、なかなかこちらのお願いする筋が
分からないと。正に中山間地域の大震災というものに対することを考えていくと、個人のためだけではな
いのだと、集落、町内の存立の問題が一つ一つの個人のことにもかかわってきているのだということを原
点に考えないと、この救済制度、いろいろな融資制度であれ、なんであれ、めどが立ってこないのではな
いかと思うのです。
 今皆さんが出されている計画は、私は通常時の、言っては悪いですけれども、当たり前の施策、今まで
の制度を出してきているのではないか。私どもがお願いしている特別立法というのはそういうことではな
いのです。個々のことも関係あるけれども、個々を殺してしまったら地域も無くなるのだと。したがって
公私にわたる復興支援ということを掲げていかなければ、このたびの対応はできないのだろうと思ってい
るのですけれども、どうお考えなのか。今は暫定でやっているわけですけれども、基本的に、どこから私
どもがスタートすればいいのかという基本的な問題だと思うので、お考えがあればお聞かせいただきたい
と思います。

◎産業労働部長
今の石井委員の御指摘は私どもも感じておりまして、知事も申し上げておりますように、このたびの震災
はいわゆる都市部ではなくて中山間地域で起きた大地震であるということを考えますと、まさしく地域が
どうなるかということをまず考えなければならないということでございます。今お話しのように、今お示
ししておりますのは、当面、補正予算で対応させていただいた分でございますけれども、今後当然、例え
ばその集落にあるお店がどうなるとか、そういう集落の機能を維持するという面でどう考えるかという視
点が必要だと思っております。今後復興計画というものを私どもも当然考えていくわけでございますので
そういった面についても十分配慮する必要があると考えております。したがって、全体としての震災地域
に対する復興計画というもので、そういったものに極力取り組んでいきたいと考えております。

◆石井修委員
私は、書物とかそういうものを読んでマニュアル化された質疑でなくて大変申し訳ないのですけれども、
実体験として申し上げているわけであります。
 例えば新潟県は県競馬をやめました。この間2億 600万円か 700万円で調教師の皆さんとも話合いがつ
いて、一応すべて県競馬の精算が終わったことになっています。しかし、私ども新潟県の県競馬は自分た
ちの馬場を持っていなくて、中央競馬の馬場を借りてやっていた。したがって、中央競馬に頭が上がらな
い。わずか2か月か3か月しか来ない中央競馬のためにものすごい投資をしている。それで採算が合うか
どうか分かりませんけれども、私は県競馬組合議員としてあれを見たときに、正に大手である中央競馬が
中小零細である県競馬を、全国の地方競馬をつぶしにかかっているととらえて発言してまいりました。あ
そこに馬主なり調教師なり厩務員なり獣医師なり、そこに関連するえさ屋なり、様々な人が介在をしなが
ら県競馬を作ってきているわけです。私は、がけっぷちに立っている県競馬を、執行者である組合長なり
管理者なり副管理者が後ろからぽっと押せばもうがけ下に落ちますよと、がけ下にすぐ落とすのではなく
て、3年後に廃止しますよという一つの条件を出しながら軟着陸したらいかがですかと。今年提案して今
年やめると言ったら、あなたたちががけの所から指で押して、さああなたたち死になさいと言っていると
いうことですよと、激しい議論をさせていただきました。
 正に今この地震がなくても、アメリカの指導だろうと思いますけれども、大規模小売店舗法を改悪して
大規模小売店舗立地法にして地方都市の商店街をずたずたにしたわけです。どこへ行っても、今街中の商
店はないのです、みんなシャッターが下りているのです。せっかく作った田畑を全部埋め立てして大型店
舗を造って、消費者サイドに立てばいいのだという一つの論法から、地方都市津々浦々全部、金太郎あめ
のような町になってしまった。個性のあるまちづくりをしなさいと一方で言っておきながら、全く個性の
ないまちづくりをここ20年、あるいは10年と言う人もいますけれども、作ってきているのが現状です。
したがって、今回被災した地域もご多分に漏れず全部そういう形になっているのです。広げようのない、
逆に大手にすべて吸収されるという状況の中でこういう震災を受けているのです。
 だから今までの既成概念をすべて消して、どんなものが今、法律、条例にあるかを別にして、新たな発
想で自分たちがこの土地にどう生きていくのかということを基本にして物事を作る。そして現行法とどう
不釣合いがあるか、あれば特別立法で何とか救ってくれという方法で出ていくしか私は方法がないと思う
のですけれども、どうでしょうか。

◎産業労働部長
いわゆる現行制度でカバーできない部分とか、あるいは今回の被害の甚大さを考えて、いわゆる足りない
部分、あるいはそのすき間の部分等を特別立法でということでございますけれども、私どももそういった
ことで国にお願いしてきております。これについては、知事が先頭になって頑張っておりますけれども、
私どもとしても極力そういうことでお願いをしたところでございます。
 なお、発想を変えて、いわゆる被災されたかたがたの立場に立って何ができるかという、それは特別立
法と直接関係ない部分もございますけれども、そういったことで私どももこれから取り組んでいく必要が
あると考えております。

◆石井修委員
この産業労働部の所管ではありませんけれども、今農地部で進めている事業で農業集落排水事業というも
のがあります、集落ごとに下水道をやるという。それは集落ごとにやるわけですが、それがいずれはずっ
とみんな管でつないでいって、例えば流域下水道の中に入れるという格好になるのです。そうすると、農
業集落排水事業の中で、自己完結型、地区完結型の集落排水ではなくて、将来的に管をつないでいくから
ここで自己完結型にしなくてもいいと。5年たてば流域下水道につなげていくから自己完結型にしなくて
いいということで自己完結型にしていない農業集落排水施設というのはけっこうあるのです。何も災害が
なければ、地面が揺れなければ管も壊れないし、金をかけずに比較的合理的にやっていける。ただ、いっ
たんこのたびのような災害が来ますと、地面の中がずたずただというと、一つ壊れたら全部直さなければ
ならない、自己完結型になっていないからです。そう考えると、実はとんでもないお金がかかるのだとい
うことが、他の部局で議論されています。
 これと同じことが、例えば新潟県の観光にも言えるのです。新潟県観光と言ってしまったら、新潟県は
だめじゃないかと。震災に関係のない所まで客が来ないのが現実です。ですから、私はこれからの考え方
というのは、新潟県全体はベース的には押さえていかなければならないけれども、個々の売り込みという
ものを徹底してやっていかないとだめなのだろうと思っているのです。前にも観光業界と私ども自由民主
党の観光振興議員連盟とで会合を持ちました。全体的な目配りも必要なのですけれども、新潟県というも
のと新潟県中越大震災という名前は使わないで、村上市なら村上市、個々の売り込みに専念してやった方
がいいという示唆を、私はさせていただきました、アドバイスをさせていただきましたけれども、そうい
う形でいかないと、新潟県と言うと流域下水道と同じ理屈になってしまって、関連した所が全部だめにな
ると。これからの観光の売出しも、今回の災害を契機にして考え方を変えていかないと、発想を変えてい
かないとだめなのだろうと思っているのです。これは一事が万事とは言いませんけれども、他の部局に関
連あることがここにも関連があるのだということを、やはり皆さんが認識をして対応していただかないと
だめなのだと思っているのですけれども、最後になりますが、それだけ聞いて終わります。

◎産業労働部長
観光のお話もございましたけれども、今委員おっしゃるとおりでございます。御案内のとおり、観光は大
変な被害を受けております。そういった面で私どももできることから始めておりますけれども、極力今お
っしゃったような方向でこれから真剣に取り組んでいく必要があるということで、補正予算でもお願いし
てございますけれども、取組を進めていきたいと考えております。